医院名 |
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関皮膚科クリニック |
院長 |
関 正計 |
住所 |
〒310-0851 茨城県水戸市千波町1440-5 |
診療科目 |
皮膚科 |
電話番号 |
029-244-1255 |
アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹が現れる病気です。
アトピー性皮膚炎には、アトピー体質という遺伝的な要素が関係しています。このような体質の方の皮膚は弱く、かゆみが起こりやすくなっています。さらにダニやホコリ、食べ物などのアレルゲン、また乾燥や汗などの刺激が加わると、アトピー性皮膚炎が増悪すると考えられています。
アトピー体質とは生まれつきアレルゲンに敏感でアレルギーを起こしやすい体質や、皮膚が乾燥しやすくバリア機能が低下している体質のことをいいます。家族にアトピー性皮膚炎や花粉症、ぜんそくなどアレルギーの病気の人がいる場合は、アトピー体質かもしれません。
アトピーの病状は年齢によって次のような病状が見られます。
幼児期は顔、頭のジクジクした湿疹から始まることが多く、ひじの内側、膝の裏側、手首、足首などにも湿疹がみられます。
幼小児期は皮ふ全体が乾燥し、ひじの内側、膝の裏側、目や耳の周り、首などに湿疹がみられ冬は乾燥、夏は汗などの刺激で悪化します。
思春期以降は顔や首を中心に全身に湿疹ができ赤くなり、特に顔の赤みが目立つようになることもあります。アトピーはかゆみが現れやすく、ひっかくことでバリア機能がさらに低下し病状悪化につながりさらにかゆみが増す悪循環に陥ってしまいます。悪循環を断ち切るためには、皮膚の保湿・保護、さらにかゆみを抑えて病状を悪化させないようにする治療が必要となってなっています。
アトピー性皮膚炎には世界的にも次のような標準治療があります。
治療の基本はステロイド外用薬やタクロリムス軟膏、保湿剤などのぬり薬です。また、かゆみが悪化の原因になるため、これをおさえるために抗ヒスタミン薬などの飲み薬も使われます。
病状をよくするために、ぬり薬は適切な量をぬることが大切です。ステロイド外用薬はぬる量が少なくなりがちなので、適量の目安を覚えておきましょう。
大人の人差し指第一関節分(約0.5g)の軟膏を手2枚分くらいの広さの患部に。
5gチューブ1本で大人の手20枚分の患部に塗るぐらいが適量です。
Q 食事の制限は必要ですか?
A アトピー性皮膚炎では、基本的に食事制限は必要ありません。保護者の方の判断でむやみに食事を制限するとお子さんの成長に影響を与えることもあるので注意しましょう。食事制限が必要なのは、アトピー性皮膚炎とは別に食物アレルギーが疑われるお子さんです。このような場合は、原因となる食品と突き止めたうえで、医師の指導のもと食事制限が行われます。
Q 大人になってもアトピー性皮膚炎は続くのですか。
A 普通は皮脂の分泌が増えてくる中学生頃には症状がなくなりますが、思春期以降も治らなかったり、子どもの頃は軽かったのに大人になってからひどくなる人もいます。
Q ストレスで悪化することはありますか。
A 思春期以降のアトピー性皮膚炎は受験や仕事や人間関係などのストレスから神経たんぱくが分泌されアレルギー反応を起こしやすくなり悪化することがあります。そうするとかゆみが強くなりかゆみの悪循環になり病状が悪くなります。
ストレスをためないことが一番ですが意識しすぎるとよけいにそのことがトレスになるので、気分転換になる趣味などがみつけましょう。
Q ふだんのスキンケアについて教えてください。
A 肌の清潔をこころがけることです。汗をかいたら早めにシャワーを浴び、体を洗う時は低刺激性の石けんでやさしく洗い入浴後はすぐに保湿剤をぬります。体が温まるとかゆくなるので、お風呂はぬるめにし長湯はさけましょう。
Q かゆみをおさえるための日常生活について教えてください。
A 直接肌に触れる下着などは綿のものにしましょう。かゆみが強い時は冷たいタオルで冷やすのも効果的です。
ダニとハウスダストは悪化要因になります。
家の中はこまめに掃除機をかけましょう。
とびひの正式な病名は伝染性膿痂疹といい、細菌(主にブドウ球菌)が皮膚に感染して水ぶくれやかさぶたができ、それを掻きむしった手を介して飛び火のように広がっていく病気のことを言います。
虫刺されやすりきず、湿疹、あせもを掻いたりしたために黄色ブドウ球菌などの細菌が入り込み増殖することで発症します。
また、アトピー性皮膚炎の患者さんは皮膚のバリア機能が低下しているためとびひにかかりやすいので注意が必要です。
皮膚の赤い腫れから始まり水ぶくれやかさぶたができます。
とびひの治療は細菌を退治することなので、主に抗菌薬の飲み薬と塗り薬を使います。必要に応じてかゆみを抑える抗ヒスタミン剤なども使われています。
石鹸でよく洗い皮膚を清潔に保つことが大切です。普段の生活では、常に皮膚を清潔に保つことが大切なので患部に刺激を与えないように石けんをよく泡立ててから、丁寧に洗うことを心がけましょう。
水いぼは皮膚科で伝染性軟属腫と呼ばれ、伝染性軟属腫ウイルスが皮膚で増殖し1mm~5mmの光沢のあるいぼが現れる子供に多い病気です。
伝染性軟属腫ウイルスが原因です。接触感染するのでプールや保育園などで集団感染が起きることもあります。特に、アトピー性皮膚炎の子供さんは皮膚のバリア機能が低下しているので、水いぼが発生しやすい傾向にあります。
体や四肢に直径1mm~5mmの小さな水疱(水ぶくれ)ができます。
他の人にうつってしまったり、水いぼの数が増えてしまうことが多いので数が少ないうちに治療が必要です。
専用のピンセットを利用して患部を摘み取る方法が一般的です。水いぼは数か月で自然に治ることもあるので、水いぼの大きさや数、お子さんの年齢などを考慮し、とらないで経過を見る場合もあります。
いぼは医学的には尋常性疣贅といい原因はウィルス(ヒト乳頭腫ウィルス)感染により生じます。全身どこにでも発生しますが、特に手や足やひざ、及び顔、頭、首にもよくみられます。大人よりも子供に多く、自然に治ることもありますが、次々に増えていくこともあり、早めの治療が必要です。足の裏にいぼができると皮膚が固くなり、うおの目のように見えます。子供の足の裏にいぼができると皮膚が固くなり、うおの目のように見えますが、子供の足の裏にうおの目ができるひとはまれで、大部分はいぼです。
足や手は皮膚が厚いので、いぼのウィルスが感染すると液体窒素で治療しても治るのには、かなり時間がかかります。いぼウィルスには寿命があり、患者さんによって経過は一定ではなく、長い場合は半年から1年以上かかることもあります。
虫の種類によって様々です。人の血を吸うカ、ノミ、イエダニ、ブユ(ブヨ)などは、刺されるとかゆく、赤い班(紅班)が出来ます。
そして紅班に小さな水ぶくれ(水泡)を作ったり、しこり(丘疹)を作ったりすると子どもさんの場合にはかゆみのために手でかきむしり、細菌が入って、とびひになることもあります。
カなどの吸血性昆虫に対する反応は人によって異なります。これはカに刺された頻度によって皮膚の反応が移りかわるからです。一般には幼少児は遅れて出てくる反応が強く、赤く、大きい腫れが長く続くことも多く見られます。
虫さされの治療は刺されたところを石けんで洗い清潔し、赤くはれたら冷却し、皮膚炎に対してはステロイド外用剤やかゆみを止める抗ヒスタミン剤を内服します。